ゲームの時間の約束が守られないとき

公開 2026.10.06 / 更新 2026.10.12

結論から書きます。守られないのは、意志の問題ではありません。約束の作り方の問題です。

直すところは4か所あります。順に書きます。

小学生が、お金と交渉と論理を学ぶアプリ「ライロジ」を作っています。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

なぜ「あと5分」が終わらないのか

ゲームは、キリの悪いところで終わるように作られています。

あと少しでクリアできる。いまやめたら最初からやり直し。仲間と一緒に戦っている最中。終わりたくないのではなく、終われない状況に置かれています。

ここに「30分まで」という時間の約束をぶつけると、必ずぶつかります。時計はゲームの外側にあって、ゲームの中の区切りと一致しないからです。

だから「あと5分」が出ます。そして5分後、また同じ状況になっています。

これは子どもの性格の話ではありません。 大人も、キリの悪いところで仕事を止められません。

ゲームの時間の約束を直す4か所

1. 時間ではなく、区切りで決める

「30分」ではなく「3試合」「2ステージ」。

ゲームの中にある単位で決めると、終わりが子どもにも見えます。「あと1試合で終わり」は守れますが、「あと10分」は守れません。

だいたい何分になるかは、親が先に1回数えておく。 1試合10分なら、3試合で30分です。結果は同じで、守りやすさだけが変わります。

2. 始める前に、終わりを子どもに言わせる

親が「30分ね」と言うのは、指示です。子どもが「3試合で終わる」と言うのは、約束です。

同じ内容でも、守る確率が変わります。言った本人が決めたことになるからです。

始める前に必ず言わせる。 始まってからでは遅い。

3. 破ったときにどうなるかを、怒る前に決めておく

これがいちばん抜けやすいところです。

破った瞬間に親が決めると、その日の親の機嫌が罰の大きさになります。 子どもから見ると、同じことをしても結果が変わる。だから「今日は大丈夫かも」と思って試すようになります。

先に決めて、紙に書いておく。 「約束を破ったら、次の日はなし」でも「破った分だけ翌日から引く」でもいい。内容より、先に決まっていることのほうが大事です。

4. 親が時計の管理人にならない

「あと10分だよ」「もう時間」と親が言い続けると、子どもは時間を見なくなります。 言われるまでやればいい、という形になるからです。

タイマーを子どもの側に置く。 自分でセットさせる。鳴ったら自分で止める。

管理を手放すと、最初はうまくいきません。 それでも、親が管理し続ける限り、自分で止める練習は始まりません。

ゲームを「取り上げる」が効かない理由

守れなかったときに取り上げる。いちばんよく使われる手ですが、効きにくいです。

理由は二つあります。

取り上げられた側は、約束について考えません。 考えるのは、どうやって取り返すか、次はどうごまかすかです。罰が重いほど、隠す動機が強くなります。

そして、返すときの基準がありません。 いつ返すのか。何をしたら返るのか。ここが曖昧だと、取り上げは「親の怒りが収まるまで」になります。それは約束ではなく、気分です。

取り上げるなら、返す条件を同時に言う。 「明日は無し。明後日から、始める前に自分で終わりを言えたら再開」のように。

守れなかった日の扱い

毎回守れる子はいません。 守れなかった日が来たときに、何をするかで差がつきます。

おすすめは、その場で約束を作り直すことです。

「3試合って決めたけど、守れなかったね。何試合なら守れそう?」

減らしてもいいし、形を変えてもいい。守れない約束を持ち続けるより、守れる約束に直すほうが先です。

破った回数を数えて責めるのは、いちばん効きません。子どもが「自分は約束を守れない人間だ」と覚えるだけで、行動は変わりません。

紙に書くと、変わります

口約束は、両方の記憶が食い違います。「30分って言った」「言ってない」で揉めるのは、どちらも嘘をついていないからです。

紙に書いて、見えるところに貼る。 これだけで揉め事がかなり減ります。

書くのは3つだけでいい。何を(3試合)、破ったらどうなるか、いつまでの約束か(1週間、など)。期限を入れておくと、見直しやすくなります。

うちの場合

私は小学生向けのアプリを作っていて、その中に家庭のルールを子どもから提案させる仕組みを入れています。

ゲームの時間のようなルールは、親が決めて押し付けると必ず反発が来ます。子どもの側から「こうしたい」と提案させて、親が返事をする。返事は4つです。承認・条件を変えて返す・考え直してもらう・見送り。 承認したものは契約として残り、守った日数が記録されます。

期限は最長30日にしてあります。永久のルールにしないためです。期限が来たら、また話し合う。守れなかったら、そのとき作り直せばいい。

この考え方は、お金の扱いにもそのまま使えます。→ 小学生のお小遣い、相場はいくらか

まとめ

守れる約束に直し続けることが、約束を守る練習です。

ライロジ(Life & Logic)は、小学生がお金と交渉と論理を学ぶアプリです。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

ブラウザで動くのでインストールは要りません。はじめの30日は全機能無料、カード登録も不要です。

1つのご契約で、お子さま4名までお使いいただけます。きょうだいで別料金はいただきません。

ライロジについて / 使い方