小学生のお小遣い、相場はいくらか
結論から書きます。よく使われる目安は「学年 × 100円」です。小1なら100円、小6なら600円。月額で渡す場合の話です。
| 学年 | 学年 × 100円 |
|---|---|
| 小1 | 100円 |
| 小2 | 200円 |
| 小3 | 300円 |
| 小4 | 400円 |
| 小5 | 500円 |
| 小6 | 600円 |
低学年で500円前後、高学年で1,000円前後、という線もよく聞きます。調査によって幅があるので、いくらが正解という数字はありません。
公的な調査としては「子どものくらしとお金に関する調査」があります。金融広報中央委員会が行ってきたもので、同委員会の役割は現在、金融経済教育推進機構(J-FLEC)に引き継がれています。
ただ、金額で迷っている時点で、順番が逆かもしれません。 先に決めるべきなのは、そのお金で何を買わせるかです。
金額より先に決めること:お小遣いの「範囲」
同じ500円でも、意味がまったく違います。
- お菓子とジュースだけを買う500円
- 文房具も含む500円
- 友達と遊びに行く交通費も含む500円
範囲が広いほど、足りなくなる経験が起きます。そして、その経験こそが練習になります。
範囲が決まっていないお小遣いは、ただのボーナスです。使っても困らないので、考える理由が生まれません。
先に範囲を決めて、それに見合う額を置く。 この順番にすると、金額は自然に決まります。
お小遣いの渡し方は3つ(定額・都度・報酬)
1. 定額(毎月いくら)
計画の練習になります。 月のはじめに受け取って、月末まで持たせる。足りなくなっても足さない。
いちばん「お金の勉強」になる形ですが、低学年には1か月は長すぎます。 小1・小2なら週単位から始めるほうが続きます。
2. 都度(必要なときに言わせる)
交渉の練習になります。 欲しいものがあるたびに、理由を言って頼む。
ただし、親の気分で通ったり通らなかったりすると、学ぶのは「機嫌のいいときを狙う」ことです。断る基準を自分の中で決めておかないと、逆効果になります。
3. 報酬(手伝いに応じて)
労働と対価の練習になります。 ただし、何に払うかの線引きが必要です。自分のことにまで払うと、「払わないとやらない」が育ちます。
この線引きは別の記事に書きました。→ お手伝いにお金を払うのは、教育として正しいのか
どれがいいか
混ぜて構いません。 実際、多くの家庭が混ぜています。
ただ、それぞれが何の練習なのかは、親が分かっておいたほうがいい。 定額は計画、都度は交渉、報酬は労働。目的が違います。
お小遣いで失敗しやすい3つ
足りなくなったら足してしまう。 いちばん多い失敗です。足した瞬間、計画の練習が消えます。足りないまま終わる月がないと、何も起きません。
前借りを許す。 一度許すと、次からは前提になります。どうしても必要なら、返す日と方法を先に決めて、紙に書く。借りること自体より、曖昧に借りることが問題です。
テストの点数で増やす。 結果にお金を払うと、点を取ることが目的になります。カンニングの動機にもなります。払うなら、結果ではなく行動に。
足りなくなったときが、本番です
お小遣いの練習は、足りなくなってから始まります。
そのときに子どもが取れる手は三つです。我慢する。 先に欲しいものを決めて貯める。 何かを差し出して交渉する。
どれを選ぶかを見ていると、その子が何を学んでいる途中なのかが分かります。
ここで親が肩代わりすると、三つとも経験できません。 つらいところですが、足りないまま月末まで行くのが、いちばん安い授業料です。
お小遣いの金額を決める、最後の目安
迷ったら、「1か月に1回だけ、少し迷うくらい」に設定してください。
毎回ためらいなく買えるなら多すぎます。何も買えないなら少なすぎます。月に一度「これを買うと、あれが買えない」と考える瞬間がある額が、ちょうどいい額です。
学年×100円は、その意味では悪くない目安です。ただし範囲を決めたうえでの話です。
うちの場合
私は小学生向けのアプリを作っていて、うちでは現金のお小遣いとは別に、家の中だけで使えるコインを使っています。パズルや手伝いで貯まり、欲しいものを親に提案するときの元手になります。
現金と違うのは、使い道がほぼ一つしかないことです。買い物ではなく、提案する権利に変わります。だから「何に使うか」ではなく「何を提案するか」を考えることになります。
現金のお小遣いの代わりにはなりません。並行してやるものだと思っています。
