お小遣いもゲームの時間も、きょうだいで差をつけていいのか
結論から書きます。差はつけて構いません。 むしろ、同じにするほうが無理があります。
ただし条件が二つあります。理由が言えること。 そして、下の子にも同じ道が開かれていること。
きょうだいを「同じにする」が、いちばん揉める
きょうだいを公平に扱おうとして、お小遣いを同額にする。ゲームの時間も同じにする。寝る時間も揃える。
これは公平ではありません。
学年が違えば、使う場面も、できることも、必要な時間も違います。同額にすると、上の子は少なすぎ、下の子は多すぎるという状態になります。どちらも学べません。
公平とは、同じ額にすることではなく、同じ基準で決めることです。
条件1:理由が言えること
差をつけるなら、その差がどこから来ているかを説明できる必要があります。
いちばん説明しやすいのは、学年や年齢に紐づけることです。
- お小遣いは学年×100円
- ゲームの時間は学年で段階的に増やす
- 寝る時間は学年で決める
基準が学年なら、説明が毎回同じになります。 親の気分でも、その日の機嫌でもない。これが効きます。
逆に「お姉ちゃんはしっかりしているから」のような理由は使わないほうがいい。性格を理由にすると、下の子は「自分はしっかりしていないから少ない」と受け取ります。 変えようのないもので差をつけられると、人は納得できません。
条件2:下の子にも同じ道が開かれていること
差があっても、「自分も○年生になれば同じになる」と分かっていれば、ほとんど揉めません。
これが崩れるのは、上の子だけに特別な例外を作ったときです。一度その形を作ると、下の子にとって基準は「親の好み」になります。
例外を作るなら、下の子にも同じ条件で開いておく。 「5年生から」なら、下の子も5年生から。
「ずるい」と言われたときに何と答えるか
いちばん使えるのは、これです。
「あなたが○年生のときも、同じだったよ」
これを言うためには、本当にそうでなければなりません。 だから基準を学年に紐づけておくと、将来の自分が助かります。
下の子が一人目の場合は、こう言えます。
「○年生になったら、同じにする」
どちらも、時間が経てば差が消えることを示しています。 子どもが納得できないのは差そのものではなく、終わりが見えない差です。
きょうだいで差をつけてはいけないもの
お金やルールに差をつけるのは構いませんが、差をつけてはいけないものがあります。
話を聞く時間。 怒り方。 できたときの反応の大きさ。
ここに差があると、お金の差の意味が変わります。「学年が違うから」ではなく「自分は大事にされていないから」と読まれます。
お金の差が問題になるのは、だいたいここが揺れているときです。 お小遣いで揉めているように見えて、実は別のことを言っていることがあります。
下の子のほうが進んでいるとき
年齢と能力が逆転することはあります。下の子のほうが計算が速い、交渉がうまい。
このとき、基準を能力に変えたくなりますが、やめたほうがいいと思います。 能力は測り方で変わるので、基準が毎回揺れます。そして上の子から見ると、抜かれた瞬間に損をする形になります。
基準は学年に固定したまま、例外は交渉で開く。
「基準は5年生からだけど、どうしても今がいいなら、理由と条件を持ってきて」
こうすると、早い子には早い子の道が残り、基準は壊れません。そして、理由を考える練習にもなります。
うちの場合
私は小学生向けのアプリを作っていて、小3と小1の子が使っています。
コインの貯まり方に、学年の差はつけていません。 パズルを解けば同じ額、手伝いをすれば同じ額。それでも、解ける問題が違うので、結果として差はつきます。
意図してそうしました。与える側が差をつけると説明が要りますが、行動の結果として差がつくなら、説明が要りません。
先日、上の子が「使わない装備を弟にあげたい」と言い出しました。差があることに本人が気づいていて、自分で埋めようとしたということです。あげるのではなく交換にしましたが、言い出したのは子どものほうでした。
お小遣いの決め方については、こちらに書きました。→ 小学生のお小遣い、相場はいくらか
まとめ
- 差はつけていい。同じにするほうが無理がある
- 基準は学年や年齢に紐づける。 性格や能力を理由にしない
- 「あなたが○年生のときも同じだった」と言えるようにしておく
- 例外を作るなら、下の子にも同じ条件で開く
- 話を聞く時間と怒り方には、差をつけない
- 早い子には、基準を変えるのではなく交渉の道を開く
