親が子どもとの約束を破ってしまったとき

2026.10.26

結論から書きます。子どもに求めている手順を、そのまま親もやるのがいちばん早いです。

謝る。理由を言う。次の仕組みを言う。埋め合わせを決める。この4つです。

小学生2人を育てながら、子ども向けのアプリを作っています。この記事を書いていて、自分の作ったものに抜けがあることに気づきました。親の側に、この4つを書く場所がありませんでした。書きながら作ったので、それも最後に載せました。

小学生が、お金と交渉と論理を学ぶアプリ「ライロジ」を作っています。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

子どもは、親が思っているより覚えています

破った側は忘れます。待っていた側は覚えています。

しかも、子どもは「今度ね」を期限のある約束として受け取っていることがあります。親のほうは、その場の返事のつもりだった。ここがずれたまま、何度か積み重なります。

積み重なると、こうなります。

2つ目が実害です。守らせる側が守っていない状態では、約束という仕組み自体が家の中で効かなくなります。

子どもの側の話は、こちらに書きました。

→ 子どもに約束を破られたとき、嘘をつかれたときの対応

「仕事だったから」は理由になりません

よく使う説明ですが、子どもの側から検証できません。

検証できない理由は、理由として機能しません。「そう言われたら納得するしかない」という形になるので、納得ではなく諦めになります。

言うなら、もう一段だけ具体的にします。

事実まで下ろすと、検証できる形になります。 そして子どもは、たいていそれで分かります。

親がやってはいけない 3つ

なかったことにする

いちばん多い対応です。 こちらが触れなければ、子どもも言ってこないことがあります。

ただ、言ってこないのは忘れたからではありません。言っても仕方がないと判断されたからです。

物で埋め合わせる

「代わりにこれ買ってあげる」。その場は収まりますが、約束を破ると物がもらえるという形を教えることになります。

埋め合わせは、同じ種類のもので返すほうが筋が通ります。 時間の約束を破ったなら、時間で返す。

子どもの失敗と相殺する

「お父さんも悪かったけど、この前あなたも」。これをやると、謝罪が交渉材料になります。

別の件は、別の日に扱ってください。

やることは4つ(子どもに求めているのと同じ)

① 事実をそのまま言う

「今日の6時に公園に行くと言っていたのに、行けなかった」

言い訳の前に、起きたことだけ。 ここを飛ばすと、謝罪が説明から始まってしまいます。

② 自分の中の理由を言う

「仕事が」ではなく、自分が何を選んだかまで言えると、いちばん伝わります。

「書類を今日出すほうを選んだ。約束のほうを後回しにした」

格好はつきませんが、事実です。 そして子どもは、親が選択をしたことを理解できます。

③ 次の仕組みを言う

「次は気をつける」は、子どもに禁止しているのと同じ言葉です。 仕組みで言います。

2つ目のほうが現実的かもしれません。守れないことより、直前まで分からないほうが待たせます。

④ 埋め合わせを、日付で決める

「今度」と言わないでください。 それがそもそもの原因です。

「今週の土曜の午前に行く」

日付が入って初めて、埋め合わせになります。 そして、その日は守ってください。埋め合わせを破ると、二重になります。

謝る回数が多いと思ったら

毎週謝っているなら、謝り方の問題ではありません。約束の作り方の問題です。

「行けるか分からない」と先に言うほうが、信用は減りません。 子どもが怒るのは、行けなかったことより、行けると言われていたことのほうです。

うちの場合(書きながら、作りました)

私が作っているアプリには、子どもが信用を取り戻すための手順が入っています。やっていないのに「やった」と言ってしまったとき、それを認めて、理由を言って、次の仕組みを決めて、戻り方を自分で決める。専用の画面があります。

この記事を書くために実装を見直して、気づきました。

親の側には、同じものがありませんでした。

親が子どもを判定する画面はあります。差し戻す画面も、条件を変えて返す画面もあります。親が自分の非を認める場所だけ、作っていませんでした。

意図して外したのではなく、思いつかなかったというのが正直なところです。信用という言葉を、最初から子どもの側のものとして設計していました。

片側だけに置いた時点で、それは信用ではなく評価です。 なので、作りました。

親の画面に「約束を守れなかったとき(親の側)」があります。上に書いた4つを書くと、子どもの画面に「おうちの人から てがみ」として、ふりがな付きで届きます。 埋め合わせの日付は、入力しないと送れません。

作るときに、わざと入れなかったもの

ここが、いちばん迷ったところです。

親に点数を付けない子どもには信用の数字があります。親には付けませんでした。 測るのが目的ではなく、認める場所を作るのが目的だからです
回数を数えない「今月3回」のような表示はしません。責める材料になります
子どもからは催促できない「お父さん、これ書いて」が押せる形にはしませんでした。押せると、道具が武器になります。 親が自分から開く場所にしてあります

もうひとつ、作っている途中で足したものがあります。②に「仕事だったから」と書くと、画面が小さく言ってきます。「お子さまの側から検証できない理由は、理由として働きません」。③に「次は気をつける」と書いたときも、④に「今度」と書いたときも同じです。

止めはしません。 そのまま送れます。送る前に一度気づけば十分だと思っています。

この記事を書いていなければ、たぶん作っていませんでした。

まとめ

守らせる側が守っていないと、約束という仕組みごと効かなくなります。 子どもに信用の話をするなら、同じものを自分にも向けておきたいと思っています。

ライロジ(Life & Logic)は、小学生がお金と交渉と論理を学ぶアプリです。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

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ライロジについて / 使い方