子どもに約束を破られたとき、嘘をつかれたときの対応

2026.10.23

結論から書きます。嘘を、性格の問題として扱わないでください。

「正直な子に育てる」という方向で詰めると、次からはうまく隠すようになります。扱うのは性格ではなく、仕組みと、戻り方です。

小学生2人を育てながら、子ども向けのアプリを作っています。うちでの扱い方も最後に書きました。

小学生が、お金と交渉と論理を学ぶアプリ「ライロジ」を作っています。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

子どもが嘘をつくのは、たいてい3つの理由

本人に聞くと、出てくるのはだいたいこれです。

3つとも、嘘をつくこと自体が目的ではありません。 別の目的があって、そこに嘘が近道として置かれています。

特に2つ目は見落とされがちです。毎日続けてきたものがあると、それを切らないために嘘が出ます。 真面目な子ほど起きます。

つまり、嘘は「サボりたい」の印とは限りません。

叱り方より先に決めること

叱り方を工夫しても、次は変わりません。先に決めるのは、戻り方のほうです。

嘘が出たあと、家の中には2つの状態が生まれます。

どちらも、放っておくと続きます。「いつ、どうなったら元に戻るのか」を決めないと、気まずさだけが残ります。

やってはいけない対応 3つ

問い詰める

「正直に言いなさい」と言いながら問い詰めると、言ったあとに叱られることが分かっているので、言いません。

やるなら、先に言ってしまいます。

「正直に言ったことについては、怒らない。言わなかったことのほうを問題にする」

これを先に言わないと、正直に言う理由が本人の側にありません。

過去を蒸し返す

「前もそうだった」「いつもそう」。ここから先は、一つの出来事の話ではなくなります。

人格の話になると、子どもにできることがなくなります。直せるのは行動だけです。

罰を上乗せする

嘘をついたこと自体に罰を足すと、次は嘘の精度が上がります。 隠す動機を増やしているからです。

罰ではなく、確認を増やすほうが筋が通ります。これは報復ではなく、信用が減ったことの自然な結果だからです。

聞くのは 4つだけ

順番に聞きます。この順番にも意味があります。

①「何があったか、そのまま言って」

まず事実です。評価や理由を混ぜずに、起きたことだけ。

②「どうしてそうしたの? 『誰かのせい』ではなく、自分の中の理由を」

「誰かのせいではなく」を先に付けるのが大事です。 これがないと「○○くんが」から始まります。

出てくる答えは、たいてい前に書いた3つのどれかです。それが出てきたら、半分は終わりです。

③「次はどうやって防ぐ? 『がんばる』はなしで」

ここが本体です。

「がんばる」を禁止してください。 がんばるは仕組みではないので、同じことが起きます。欲しいのは、順番を変える・場所を変える・見せる相手を作るといった、行動の形を変える案です。

④「信用を取り戻すために、しばらく何をする?」

本人に決めさせます。 親が罰として課すのと、本人が期間を決めるのとでは、同じ内容でも残るものが違います。

信用の戻し方は、日付で決める

いちばん大事なところです。終わりの日を決めてください。

期限のない「しばらく」は、罰です。 いつまで続くか分からないと、本人は戻ろうとしません。

そして、その日が来たら、本当に戻してください。 戻さないと、次からは最初から諦めます。

約束そのものの作り方は、こちらに書きました。

→ ゲームの時間の約束が守られないとき

「正直に言った」ほうを、必ず扱う

最後にひとつ。

自分から言ってきたときは、結果がどうであれ、言ったこと自体を先に扱ってください。

「言いにくかったと思うけど、言ってくれたのは良かった」

これを飛ばして中身の話に入ると、次からは言ってきません。 正直に言うことの見返りが、本人の側に一度もないからです。

うちの場合

私が作っているアプリには、嘘を認めて信用を取り戻すための専用の手順を入れてあります。欲しいものを提案するのと同じ形式で、子どもが親に出します。

画面での説明は、こうなっています。

「うそを みとめて、信用を 取り戻す」

これだけは無料で何度でも出せるようにしました。 ここに費用をかけさせると、言わないほうが得になってしまうからです。

聞く順番は、上に書いたものとほぼ同じです。実装ではこうなっています。

質問
① 事実やっていないのに「やった」と言ったことを、正直に言おう
② 理由どうしてごまかした? 「だれかのせい」ではなく、自分の中の理由を
③ 仕組み次は仕組みでどう防ぐ? 「がんばる」は なしで
④ 戻り方信用を取り戻すために、しばらく何をする?

②と③の但し書きは、何度も書き直した部分です。これがないと、①で「○○くんが」と書き、③で「がんばる」と書いて終わります。

信用の表示も、責めず、慰めず、戻り方だけを出すようにしました。「あと何日で戻る」とだけ書いてあります。減った理由を画面が繰り返さないようにしています。それは親の仕事でもないと思っています。

まとめ

目的は、二度と嘘をつかない子にすることではありません。次に何かあったときに、言ってくる子でいてもらうことのほうです。

ライロジ(Life & Logic)は、小学生がお金と交渉と論理を学ぶアプリです。毎日のパズルと家の習慣でコインを貯めて、欲しいものを保護者にプレゼンして交渉します。

ブラウザで動くのでインストールは要りません。はじめの30日は全機能無料、カード登録も不要です。

1つのご契約で、お子さま4名までお使いいただけます。きょうだいで別料金はいただきません。

ライロジについて / 使い方