お小遣いはいつから始めるか
結論から書きます。年齢では決まりません。
よく言われるのは「小学校に上がったら」ですが、入学は、お金の準備ができた印ではありません。 学校が始まるタイミングで始めやすい、というだけです。
見るのは年齢ではなく、3つができているかどうかです。
小学生2人を育てながら、子ども向けのアプリを作っています。うちでの扱い方も最後に書きました。
お小遣いを始める合図 3つ
① 数が数えられて、足し引きができる
100円で80円のものを買ったら、いくら残るか。 ここが分からないと、お小遣いは「もらえるもの」で終わります。
厳密な計算は要りません。減ることが分かればいい。
② 欲しいものを言葉で言える
「あれ」「これ」ではなく、何が欲しいか自分で言えること。
言えないうちは、買う判断を本人がしていません。親が代わりに選ぶことになるので、練習になりません。
③ 自分のものと、人のものが分かる
これが実はいちばん大事です。 自分のお金という概念は、所有の感覚の上にしか乗りません。
きょうだいのものを勝手に使う段階では、お金だけ先に渡しても混ざります。
3つ揃っていれば、学年に関係なく始められます。 揃っていないなら、入学していても早いと思っています。
「もう少し待ったほうがいい」とき
逆に、一度止めたほうがいい場合もあります。
- ほしがったものを、親がその都度買っている状態。お小遣いを渡しても、本人は使わずに済んでしまいます
- きょうだいで差をつける理由が、まだ説明できない状態
2つ目は、下の子が「自分も」と言ったときに答えに詰まります。先に決めておくほうが楽です。
→ お小遣いもゲームの時間も、きょうだいで差をつけていいのか
金額より先に決める 4つ
金額の話は、最後で構いません。先にこの4つを決めます。
| 決めること | |
|---|---|
| 渡し方 | 毎月の定額か、その都度か、手伝いの報酬か |
| 渡す日 | 「毎月1日」のように固定する。日が決まっていないと、ねだる余地が残ります |
| 何を自分で払うか | お小遣いで買うものと、親が出すものの線 |
| 足りなくなったときどうするか | 前借りを認めるか、認めないか |
3つ目がいちばん揉めます。 文房具は、学校で要るものか、本人が欲しいものか。ここを曖昧にすると、毎回交渉になります。
4つ目は、先に「なし」と決めておくほうが楽だと思っています。一度認めると、毎月の前借りになります。
渡し方の種類と金額の目安は、こちらに書きました。
最初の3か月は、失敗させる期間です
始めたら、最初の数か月は口を出さないでください。
もらった日に全部使う。要らないものを買う。あとで後悔する。全部、起きたほうがいいことです。
ここで親が止めると、お金の使い方ではなく、親の顔色を読む練習になります。
やることは一つだけです。月末に、一緒に数える。
「いくらあって、いま何円?」
「何に使った?」
「もう一回選べるなら、どれを買わない?」
3つ目が本体です。責めずに聞くと、本人が自分で順位をつけ直します。
始めたあとに、よく詰まるところ
すぐに「足りない」と言ってくる
金額が足りないのではなく、使い方が決まっていないことがほとんどです。増やす前に、何に消えているかを一緒に数えてください。
増やすかどうかは、そのあとの判断で間に合います。
手伝いをしないとお金をもらえないと思い始める
定額と報酬を混ぜると起きます。 分けるか、混ぜるなら線を決めるか。考え方はこちらに書きました。
貯めるだけで使わない
悪いことではありませんが、使う練習にはなっていません。 貯める目的と期限を本人に決めさせると、動き始めます。「何を買うために、いつまでに、いくら」。
高いものを欲しがって、話が止まる
金額の大きさが実感できていないときに起きます。値段の測り方は、別に教える必要があります。
うちの場合
私が作っているアプリでは、現金のお小遣いとは別のものを扱っています。
毎日の習慣や手伝いでコインが貯まります。ただし、このコインは現金になりませんし、現金で買うこともできません。 アプリの中で本物のお金が動く場所は一つもありません。
そして、コインの行き先を買い物にしませんでした。 貯めたコインで買うのは、親に提案する権利です。理由と対価を用意して、親に提案します。
これは、お小遣いの代わりではありません。お小遣いを始める前にできる練習として作りました。
上に書いた3つの合図のうち、②「欲しいものを言葉で言える」は、ここで練習できます。 何が欲しいか、いくらか、それがあると毎日がどう変わるか。質問に答えていく形にしてあります。
現金を渡す前に、欲しいものを言葉にする段階があると思っています。順番としては、そちらが先です。
まとめ
- 年齢では決まらない。 3つができていれば始められる
- 合図は、減ることが分かる/欲しいものを言える/自分のものと人のものが分かる
- 金額より先に4つ。 渡し方・渡す日・何を自分で払うか・足りないときどうするか
- 渡す日を固定する。 決まっていないと、ねだる余地が残る
- 最初の3か月は口を出さない。 月末に一緒に数えるだけ
- 「足りない」は、金額ではなく使い方の問題のことが多い
お小遣いの目的は、お金を持たせることではありません。使って、間違えて、数えるという一巡を、金額が小さいうちに経験させることだと思っています。
